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この一年、僕はニヤの何を見ていたのだろうと……。
自分に対する苛立ちを募らせながらも僕の足はニヤを探してひたすら前へと進む。
冷たい雨が壊れそうなほど早くなった心臓を冷やしてくれる。
「ニヤっ! ニヤー!!」
何度も彼女の名を叫びながら、僕は狂ったように街を走っていた。
ついに僕は愛する猫に愛想をつかされてしまったのだろうか?
ただ少し居なくなっただけでこんなに不安になるのは、ニヤがいつか自分の元から居なくなってしまうのを知っているから……そして、ぼくは常にその日が来ることに怯えていた。
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