7 雨と香り (後)

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気がつけばそこはベッドの上だった。 見慣れない景色にそこが病院だと気がつくまでそれ程時間はかからなかった。 「気がついたのかよ」 不機嫌な声にそちらを見ると、顔にガーゼを貼ったニヤが相変わらずのしかめっ面で僕を見ていた。 僕は布団の中から手を抜き出すとニヤの頬にそっと触れる。 また殴られると思ったのかニヤは歯を食いしばった、けれどその目は真っ直ぐに僕を見据えていて。 ニヤはどこまでも強い。 どんなときでも彼女は折れないし退かない。
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