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「痛いに決まってんだろ。 容赦なく殴りやがって児童虐待だぞ」
「……ごめん」
「ま、ニヤは良いよ。 お前のニヤなんだろ? 好きにあつかやぁ良い。 それより森川さんに謝っとけよ、夜中に呼び出して散々迷惑かけたんだから、それに……」
ニヤはそこまでいって、小さくため息をつくと少しだけ目を伏せる。
「ニヤ?」
「お前はただの風邪だってさ。気づいてなかったのかよ? 今朝から様子変だったくせに無理して出かけやがって。 おまけに雨の中走ったりするから……まあ、安静にしてりゃ大丈夫みたいだけどさ。 それ聞いて森川さん泣いてたぞ。 良かったって。 あんまり心配かけさせんな」
そういって立ち上がり病室からでていこうとするニヤを。
「ニヤ」
呼び止めて「ありがとう」。
そう伝えると、ニヤは振り替えることなく。
「ニヤは何もしてねーよ。なんも出来ねーし」
呟くように言って部屋を出て行ってしまった。
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