7 雨と香り (後)

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2日ほどの入院で家に帰れたものの、医者から絶対安静を言い渡された僕は自室のベッドに横たわっていた。 心配した森川さんが仕事を休んで看病に来てくれていて、心苦しい反面、僕は正直助かっていた。 ニヤは家事全般あまり得意ではないし、まだ体がかなりダルい僕は出来れば動きたくない。 そんな状態での彼女の申し出はとてもありがたかった。 「体の調子はどう?」 「お陰様でずいぶん良くなりました。 それより森川さんには本当にご迷惑をかけてしまって……」 昼食にとお粥を持ってきた森川さんの姿に僕が謝りながらベッドから起きあがろうとすると彼女は緩く首をふってそれを制止した。
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