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「別にこのくらい気にしないで。 それよりも玲君はウチの看板画家なんだからあまり無茶しないでちょうだい」
わざと怒った表情をつくる彼女に僕がもう一度「申し訳ありません」と謝罪すると、森川さんはお粥の入ったお茶碗をサイドテーブルに置き、ベッドの脇に腰を下ろした。
「ところで……ニヤは?」
漸く落ちついた様子の彼女に先ほどから気になっていたことを尋ねてみる。
「なんとか、学校に行ってくれたわ」
入院中、学校を休んで僕に付き添っていたニヤは、今朝も学校を休むと言い張って聞かなかった。
それをなんとか宥めたのが一時間ほど前のこと、僕の部屋を出た後も暫く森川さんと何か話している声が聞こえていたので僕は気が気でなかった。
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