7 雨と香り (後)
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「あら? 意外? 玲君ってわりと鈍いのね」 僕の心を見透かせて責めるような口振りで彼女がいう。 「あの子、私のこと嫌いよ。 嫌いっていうか玲君を取られると思ってるみたい」 「僕をとられる?」 「愛されてるってことよ」 「僕が……ニヤにですか?」 思わず呟いた僕に。「玲君って本当に鈍いのね」 そういって森川さんはなぜか悲しそうな笑みを浮かべていた。
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