8 その猫の居場所

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日が完全に落ちる少し前だった、夕食までつくってくれた森川さんが、僕の家を後にしたのは。 随分と体調が回復した僕は、彼女が帰ったのを良いことに、汗ばんだ髪や体が気持ち悪くてシャワーを浴びる準備をしていた。 僕がタオルを持ったとき玄関の方でドアが開く音がして森川さんと入れ違うように、ビニール袋を下げたニヤが帰ってきた。 「おかえり」 「……お前、何してんだよ」 僕の言葉に返すことなくニヤが憮然とした様子で問いかけてくる、その目はしっかりと僕の持つタオルを捕らえていた。
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