8 その猫の居場所

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臭いを嗅ぐようなニヤの仕草。 「何してるんだい? ニヤ?」 尋ねれば。 「汗臭い」 一言そういってそのままそこに顔をうずめる。 身を寄せてくる彼女を緩く抱いてやるとニヤは額を胸にすり付けるようにして甘えてきて、普段にないニヤの態度に僕は少しだけニヤとの間に隙間を作ると彼女の顔を覗きこんだ。 「ニヤ?」 「森川さん」 顔を伏せていたニヤが頭をもたげて、真剣な瞳で僕を見る。 「森川さんがどうかしたの?」 「玲に触った?」 「森川さんが、僕に? どうして?」 「臭いが……するから」
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