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「……彼女は、触った」
僕の言葉にニヤの体が少しだけ震える。
その反応に、怯えるニヤに僕の心がざわめく。
「あの人が……玲の恋人? 大切な人?」
俯いたまま聞いてくるニヤの頭を優しく撫でながら。
けれど、どこまでも不安そうな声色に、ニヤが自分の事を必要としてくれている、そんな気がして。
「大切な人だよ」
恋人じゃないけれど、大切な友達
僕はその声がもっと聞きたくて、言葉の後半を伝えずに、ただそれだけを答えた。
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