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「……玲?」
じっと考えこむ僕をニヤが見上げていた。
今にも泣き出しそうな切羽詰まったニヤの初めて見せる表情に僕は少し驚いて。
「何でもないよ」
言いながら彼女の細い体をギュッと強く抱き締める。
「なあ……ニヤじゃダメ?」
「何がだい?」
「お前の大切な人……ニヤじゃダメ? ニヤはお前の大切な人になれない?」
「ニヤ……」
呟くように名を呼ぶと彼女は寂しそうに笑みを浮かべて。
「冗談」
言った。
「分かってるってニヤはお前のペット代わりだからな、ちゃんと可愛いがって世話しろよ」
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