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痛々しいその笑顔に僕はとっさに言葉が出なかった。
ニヤは僕の腕の中で強引に身を捩ると僕の腕の中から抜け出して、ニヤはその強い眼差しを僕に向けた。
そして次の瞬間噛みつくように唇を落としてきた。
何時もの触れるだけとは違うニヤのキス。
僕の体を押し倒し。
一生懸命な、どこか必死なその姿にしばらくされるがままにしていた僕は優しくニヤの頬をつかんで顔を離す。
「やっぱ嘘。ペットだってこんくらい出来る……だから」
ニヤの体が震えていて。
僕は小さく息を吐き出すと彼女の艶やかな黒髪を梳いてやった。
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