8 その猫の居場所

11/13

1404人が本棚に入れています
本棚に追加
/217ページ
ニヤがふっと視線を下方にそらす。 「ニヤ?」 「……お前が倒れてもニヤはなんもできない。 ただ泣いて怖くて、森川さんに助け求めて。 その後のことも森川さんに頼って、料理も上手く作れねーし、看病だってどうしたら良いか全然わかんない。 あの車に乗ってた人みたいにお前のこと笑わせられないし……それにあの人みたいに大人じゃない。 ニヤはお前の、玲のなんの役にもたてない、だけど」 「ニヤ……ごめん、意地悪なこといって、でもニヤは傍に居てくれるだけで」 僕の言葉をニヤは大きくかぶりを振って遮った。 「いやだ!……嫌だ嫌だ嫌だ!」
/217ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1404人が本棚に入れています
本棚に追加