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階段…
階段…
どこに続くかも分からない階段…
細く、狭い…暗く、臭い…
ただ登ることしか出来ない。
恭子と志穂は、さっきまでの一瞬の出来事を忘れようと、ただひたすら階段を登り続けた。
階段の先にあるだろう、希望のことを考えながら。
きっと階段の先は出口…
悪い悪夢からの出口なんだ。
そう自分自身に言い聞かせていた。
しかし恭子には気になることがあった…
壁に書かれた文字。
ゲームに参加する為の選考会…
さっきまでのは、ただの序章で、階段の先は希望ではなく…
絶望なのではないか?
…そう思えてならなかった…
ダメだ!!
そんなこと考えても仕方がない!!
恭子は自分の雑念を払うように、首を左右に振って志穂の手を握った。
いきなり手を握られて、びっくりする志穂だったが
「きっとこの先は出口だよ!行こう!!」
そう言った恭子を見て、志穂は少し安心し、手を握り返した。
階段の奥の方にはドアが見えてきた。
恭子と志穂は同時に息を飲む…
この先は出口なのか…
それとも絶望へと続くドアなのか…
恭子と志穂は目を見合わせ、ドアノブに手をかける。
自分の中で、行くぞと気合いを入れ
一気にドアを開けた。
…
眩しい…
ドアを開けると、光の世界…
二人とも眩しくて目を開けれなかった。
まっ…眩しい…
何だろう…?
目がなれ、辺りが見えてくる。
外に出れた!
二人がそう思った時だった…
あるはずの外の景色はなく、広く、大きな部屋だった。
感じるはずの眩しい太陽はなく…
ただ部屋全体にライトがあり…
それの光だった…
しかし二人はそのことよりも別のことに驚いていた。
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