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「でも何もないし…おかしいなとは思ってるんだけど…」
麻緒は自分の足に視線を落とす。
「さっきのは確かに…手の感触だった…」
「……!」
麻緒も私も、もともと霊感は強くない。
けれど麻緒がここまでハッキリと感じたとなると…。
「(何か…ある…)」
そう思わざるを得ないだろう…。
「由奈…は、早く帰ろう!」
「そ、そうだね」
私たちは鞄を持ち、足早に教室を出ていった。
その姿を…血を流した女性の霊が…怪しげな笑みを浮かべて…見つめていたとも知らずに…。
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