30分後…

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みんなそろそろ酔いが回ってくる。 「はいはい、皆さん次のお料理持って来ましたよ!」 元気な声がして、中年の女性と、若い娘が、盛りのいい大皿を運んできた。 この店の女将、松岡タマコと、娘のフウカだ。 オーッ!毎度ここは盛りがいーねぇー!パチパチ…いよっオカミさんふとっぱら! 口々に称讃の声。 「みんな、お腹一杯にしてっとくれよ!毎度ご贔屓にありがとさんねぇ!」 あいしてるよぉ~オカミさん…ワハハハ~ どうやら、この女将は皆の母親的存在の様だ。 フウカちゃん、彼氏できたかぁ~ダハハハァ~ 冷やかしの声に、娘のフウカが笑って応えた。 「バカな事言ってないの!ジャンジャン飲んで食べてってね!」 どうやら、娘の気性は母親譲りらしい。 はいよ~あんがとさん、今度デートしてくれぇ~ワハハハ~ 大皿を置いた女将と娘は、座敷を出て行った。 「はい!スマイソンさん、ナマ中おかわりどうぞ」 婦警の島田タカコが、潤んだ目でスマイソンにジョッキを手渡した。 「ああ、島田さんどうもありがとう!」 「島田さん、オレの分は?」 近藤が尋ねる。 島田は近藤を、キッ!っとニラミつけた。 「そんなの自分で取ってきたらいいじゃないですか!甘えないで下さい!…そんなことより近藤さん、ちょっとどいて下さい!」 近藤が怯み、少し引いたスキに、島田は割り込んで座る。 「…なっ、なんだよぉ~…少しくらい優しくしてくれても…」 「おだまり!」 「…はい…すいません…」 謝ったものの、近藤は不満顔で何事かブツブツボヤいている。畳に「の」の字を指で書き出した。 完全にイジケた様だ。 「…ねぇ、スマイソンさん、…いえ、マモルさん…次の非番は何か予定でも入ってますぅ?」 ネコ撫で声の甘えた声で、尋ねた。 島田は既に、かなり酔っているようだ。 スマイソンは島田に目を合わさず、顔を強張らせた。 「…いや、ジムに行く他は特にこれと言って、あるような…ないような…」 シドロモドロだ。
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