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しかし、そのとき再び便意が襲ってきたのである。
「またかよ・・・。」
真一は再び情けない格好で便器にしゃがみこんだ。
今度は長くなりそうだった。
ふと、真一は外の男のことが気にかかった。
もう一度壁と扉の隙間から覗いてみて、真一は思わず叫びそうになったが、必死でこらえた。
なんと、外の男が、麻袋の中から女の死体を引きずり出していたのだ。
真一は細い隙間から目を離せなくなった。
男は個室に真一がいることに気付いていないようである。
女性の死体の次に男は鋭利なナイフと、のこぎりを取り出した。
そして、女性の首にナイフを突きつけると、一気に引いた。
女の首にパックリと裂け目ができ、そこから血がどろりと流れ出た。
「この男・・・。」
真一はこの男が何をしようとしているか理解した。
男はここで、女性を解剖しようとしているのである。
真一はことの異常さに驚愕した。
どうやら男は気付いていないようである。
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