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朝、ゆっくりと動き出した元太はいつものごとく爪で、10本目の棒を書いた。
あれから色々あったが、遂に10日。半分が過ぎたわけである。
しかし、元太はここへやってきて10日で、とんでもない変貌を遂げていた…。
目に覇気がなく、半開き。痩せこけて肋骨が目立ち、まるで動かなくなっていた。例えるならミイラとゾンビを2で割った感じだ。
元太は、1日をずっと寝て過ごす。というか動けないのである。
しかし朝になると、動かない体を無理矢理動かし、ふらふらしながら、爪で棒を書く。これだけはどんな辛い状態でも忘れたことはない。
これだけの為に1日1日必死に生きながらえているのだ。
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