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目覚めてから何時間経っただろう…。
未だに自分の状況が分からずにいる。
日が陰ってきたのか、小窓からの光が少し淡いオレンジ色になってきた。
「もう夕方なのか?」
夜になれば、電気もないために真っ暗の中孤独を感じなければならない。
そんなことを感じながら、小窓の光の先に目をやると、さっきまでは見えなかった、一枚の張り紙に気付いた。
「…?」
多分小窓からの太陽の光が陰ってきたせいで、光の角度が変わり、さっきまで暗く見えなかった部分が見えるようになったんだと思った。
そんなことはどうでもいいとばかりに、素早くその一枚の張り紙に目をやった。
B5サイズであろう真っ白な紙にこう書かれてあった。
゛お前を助けよう。
ただし条件がある。それは、その独房の中で20日間生き延びる事。
もし生き延びられれば、お前を自由にしよう。゛
「なんだこれ…本当かよ…」
元太は落胆した。
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