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薮君は兄である翔央の友達。
初めて会った時、なんて綺麗な顔の青年なんだろう…と思った。
そんな薮君に僕は次第に淡い想いを抱いていき、
薮君が家に居る時…いや、仕事の時も可能な限り薮君とずっと一緒に居た。
だけど僕と同じように薮君の目には翔央が写っていた。
そして僕と同じ様に翔央と一緒に居たがった。
そしていつの間にか翔央と薮君に僕が付いて行くという構図が出来上がっていた。
きっと薮君にとっては僕はすごく邪魔だったろう。
家に来る度薮君は呟いた。
「あ~ぁ、俺が莉央と変われればなぁ~…翔央と一緒に居られんのに…」
唇を尖らせながらそう言う薮君に翔央は
「何言ってんだよ、ほとんど一緒にいる様な物じゃん」
なんて笑いながら返していた。
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