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「お疲れさま」 にっこり微笑みながら助手席に乗り込んだ。 「おう、お疲れ」 彼は目尻と口角が微かに動いただけの笑みを浮かべた。 初めて会った時にも感じたが、彼は感情をあまり顔に出さないタイプなのだ。 それは彼が7つも上だから落ち着いているのか、それとも元々の彼の性格なのかはあたしにはわからなかった。 けれど、そんな所も含めて全てがいい。 そう思うのだった。 暫く走っていると彼が話し掛けてきた。 「今日はどうする?腹減ってるか?」 「…ご飯は食べてないけど、お腹はいっぱいなの」 あたしがそう答えた後、彼は笑い出した。 「はははは~飯食べてないのに腹いっぱいって…面白いな」 彼があまりに笑うので、あたしはそんなにおかしい事を言ったのだろうかと思い返した。 確かに矛盾してるかもしれない。 お腹は空いてないと言おうとしたのになぜかいっぱいと言ってしまったのだ。 恥ずかしい…。 あたしは笑って誤魔化す事にした。 「あははは~」
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