青いベンチ~いつかの情景~

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この春に念願だった刑事課に配属されたばかりの女性。 その女性刑事の前に座る一人の黒髪の少年。 力なく開かれた瞳で、窓から見える土砂降りの雨ばかりを見つめ、その口から出る言葉は肯定でも否定でもない。 ただ女性刑事へと力なく告げる言葉の奥から覗くのは揺るぎなき、真実のみ。 女性刑事から見ても少年は、今まで会って来た人間達とは明らかに違っていた。 少年の持つ優秀なる学歴や、運動能力だけではない。 心理テストを行なった結果、類いまれなる高いIQも確認出来た。 まるでこの世の物とは思えないほどに整った、とてもシャープな顔と印象的な大きな瞳。
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