111人が本棚に入れています
本棚に追加
ある種の、不気味すぎる美しさと、繊細で壊れやすそうな心を持つその少年へ、悲しそうに呟く女性刑事。
「貴方がやった事は、完全に逆恨みよ……」
女性刑事は失望した眼差しで少年を見る。するとその言葉を受け止めると、静かに口を開く。
「分かってます。そんなの……」
僅かに聞こえた少年の掠れた声。
しかしその大きな瞳が女性刑事の言葉を受け、次第に悲しみの色に濡れて行く。
「それでも、それでも僕だって人間なんです!復讐したいって……、仕返ししたいって思って何が悪いんですか!?」
瞳に涙を浮かべながら答える少年に、女性刑事は言い聞かすように語る。
「貴方の気持ちは痛いほどよく分かるわ。だけど、人間ならば法の裁きに身を委ねるべきなのよ」
最初のコメントを投稿しよう!