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呼吸をするのも辛いくらい強引に押さえつけられた、そんな少年の目に浮かんで消えない、優しい笑顔を少年に向ける少女の姿と、首を吊ったその少女の変わり果てた無惨な姿……。
例えどんなに願っても、決して帰って来ないあの優しい笑顔。
少年の瞳から再び涙が溢れ始めた。
「よく分かりました。貴方達、国のやり方が。ならば僕がこの国を変えてやる!」
(僕が……、もう帰って来ないアイツのためにも。この僕の力で、この腐った国を根本から建て直してやる)
なおも暴れ叫び続ける少年に、女性刑事も堪らず叫ぶ……
「お願いだからやめなさい!佐久間君!」
鉄格子のある窓の向こうは、土砂降りの雨だった……。
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