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それからもテレビを観ながら他愛ない会話を続けた。
最初はどう接すればいいか分からず不安だったが、案外何とかなるものだ。
「あ」
そういえば忘れていた。
「ヴェルデ。お前、服はそのドレスだけか?」
ヴェルデが着ているもの。それは白と薄いピンクを基調にしたドレスだ。
中は何を着ているか知らないが、普段からその格好、というか寝るときもその格好でいるつもりだろうか。
「うん。起きてからすぐに寝ちゃったから、これ以外の服は着たことないよ」
「そうか…」
俺の部屋に子供が着れるような服はない。いや、有ったら驚きだが。
視線がテーブルの上に置いてある封筒に向く。
「ま、仕方無いか」
腰を上げ、封筒からいくらか取り出す。
「どうしたの?ディアボロ」
封筒の中にはまだそれなりに残っている。少しぐらい使っても問題は無い。
「ヴェルデ、買い物に行くぞ」
「え?」
「いつもその服装だと疲れるだろ?せめて部屋着ぐらいないとな」
そういえば、靴も必要か。歩き回ってれば汚れたり、壊れたりもする。
「…うんっ!」
ヴェルデは嬉しそうに駆け寄ってきた。まるでこれから旅行にでも行くみたいだ。
しかし…多少疲れたが、この短時間でお互い随分と馴染んだな。素質でも有ったのか?
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