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1572年7月 甲斐(山梨県) 躑躅ヶ崎館 奥間に一人の若者がいた。
後ろから足音が響き
若者は頭を下げた。 数秒後 奥間に坊主頭の 人物が姿を見せた。その人は上座に座ると若者に 「駿河、よう来た 面を上げよ。」と声をかけた。
この人物 甲斐国を一代で 戦国最強に育て上げた戦国大名 武田信玄である。
駿河と呼ばれた若者は まだあどけなさの残る顔をあげた。
駿河「お館さまの命によりまかりこしました。 この度は如何なるご用件で御座いましょう?」
信玄「うむ、その方 信長殿を知っておるな?」
駿河 「はっ」
信玄 「そなた、信長殿に仕えよ。」
全てはこの一言から
始まった。
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