信玄の遺言

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駿河 「それは一体」 当惑気味の若者を 救うかのような声が外から聞こえてきた。 ??? 「お主は信長殿を討つのじゃ。」 信玄 「これ美濃、先に言うでない。儂の楽しみが減る。」 信玄が笑った。 声の主は馬場美濃守信春 (異名、不死身の鬼美濃) 武田家の重臣で家臣の中では筆頭家老の位置にいる。 信玄 「美濃、中に入れ。話を続ける。」 障子が開き 好好爺と言える武将が奥間に入った。 信玄 「さて美濃が言ってしまったが、その方信長の首を取れ。」 駿河 「つまり間者としてでございますか?」 信玄 「そうじゃ。これは甲斐国の存亡を左右する。やってくれるな。」 駿河 「御意、某はお館さまに仕える身。一命に代えましても。」 信玄 「あいわかった。美濃早速、軍議を開く。勝頼、山県らを呼べ。それと昌幸も加えよ。」 戦国最大の陰謀の歯車が ゆっくりと回り始めた。
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