猿夜叉丸

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翌日、猿夜叉丸は六角氏の居城観音寺城へ向かった。 小谷城から出て、城下町を通るときには沢山の民が道沿いに並んでいた。 皆、猿夜叉丸のことが心配なのである。 これだけ領民から人気のある大名の子は猿夜叉丸だけであろう。 皆、別れを惜しみ、涙を流す者もいる。 しかし猿夜叉丸は笑顔だった。 これで大好きな小谷の町が救われる。 ただそれだけが喜びであった。
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