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その後観音寺城で人質として暮らし初めてから7年が経った。
六角家との対立はあまりなかったのと、猿夜叉丸の人柄のおかげで人質としては比較的自由いることが出来た。
そしてこの七年間、武芸に励み、書を多く読み、兵法まで独学で学んだ猿夜叉丸は戦国武将として心も体も知力も著しい成長をとげていたのだ。
そしていよいよ明日、猿夜叉丸は元服し戦国武将の仲間入りをする。
そして元服と同時に猿夜叉丸は小谷へ帰れるのである。
いよいよ長かった人質生活も明日で終わり。
この7年、気にかけたのは小谷のことだけ。
爺からの手紙には小谷は順調に発展していると聞いている。
大好きな自分の故郷へ帰れる…
それだけで猿夜叉丸の心は浮ついていたのである。
そしてその日の昼、猿夜叉丸は監視役の平井定武と共に観音寺の城下町へと向かった。
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