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猿夜叉丸はいろんな人から愛を受けて小谷で育っていた。
しかし、そんな幸せも束の間だった。
六角家当主六角義賢が浅井家に猿夜叉丸を人質として要求、浅井家当主浅井久政は小谷のことを想い渋々承諾した。
これには家臣が大激怒。
浅井家は六角家に従属しているわけではない。
一戦を交え、六角義賢を討ち取るべきだという論まで出てきた。
怒りの矛先は浅井家をないがしろにした六角義賢だけでなく、浅井久政まで飛び火した。
猿夜叉丸は荒れる家中の様子を敏感に感じ、不安を感じていた。
大好きな小谷の地を離れて知らない場所に行き、知らない人に囲まれて生活することが…
けどもっと心配なのは浅井家が、この小谷の地が蹂躙されることだった。
わずか8歳の少年にも国を守らなければならない…そんな大名としての自覚が芽生え始めていた。
そしてこの時期から暁将の片鱗を見せ始めるのであった。
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