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「――あれ?金蝉?」
暫くしてようやく静かな時間が流れている事に気付いたのか、子供は顔を上げ金蝉を見上げる
「…寝てたんだ」
小さく笑いつつ穏やかな微笑みを浮かべた
彼が他人の傍でこんなにぐっすり眠っている事なんて滅多に無い
「――自惚れてもいいのかな…?」
金蝉の隣がずっと俺でいられますように…そう願いを篭めた桜の花びら
それをそっと金蝉の手の平に乗せる
「おやすみ、金蝉」
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