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「お待たせ。行きましょう。」
そういうと、儷が差し出した手に自分の手を乗せる。
城というより、宮殿といったほうが正しいだろう建物の正門に立つと、門番に出ていた兵士が頭を下げ、門を開けた。
2人で静かに歩を進めると、更に宮殿の入り口で同じ光景を目にする。
満霞が通るときに
『人間ふぜいが皇太子様と並んで歩くなど…』
と聞こえてきたのを苦笑交じりに無視すると、満霞は立ち止まって何か言いかけた儷を先に促した。
龍神の王、零(れい)が普段使っている執務室の前にいた兵士に取り次ぎを頼むと、2人は扉の前に並んだ。
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