プロローグ

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昔々…ってほどの昔ではなく、ペレストロイカが流行語になり、ソウルでオリンピックが開催されようとしていた年の話。 副島凌(そえじまりょう)は二十歳の誕生日の記念な訳ではないが会社を退職した。 ほんの僅かの荷物とたくさんの開放感を愛車に積み込んで自分の故郷へ向けてアクセルを踏み込んだ。 夜中に急げは二時間半の道のりを、わざわざ遠回りしながら初夏の到来を遠くに感じながら海沿いを走る。 気楽な口調で自分を鼓舞するように呟いた。 『まぁ、なんとかなるサ』 明日の行方など、気にも止めずに…
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