フリーター生活

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『こ…ここ、空いてますか?空いてますよね』 うわずった素っ頓狂な声でまくし立て、返事も待たずにテーブルを挟んで対峙する様に座った。 和希の怪訝そうな視線が突き刺さる。 社員食堂のおばちゃんの 『ああ、その子昼ドラファンなんだって。 いつもソコなのよ』 警戒心の仮面を外し、夏の向日葵を連想させる笑顔で 「ごめんね。邪魔しちゃった」 違う席へ移動しようとする和希に 『いやいや、俺が後からズカズカやって来て…っていうか、ここにいて下さい。』 一目惚れと云うのは時として己のポテンシャル以上の物を発揮する。
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