SPのSP②

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安井は少々酔いがまわってきている。 「頭いってえな。ちょい寝るわ。碓氷ちゃん、着いたら起こして」 「わかりました」 普段温厚な分、大柄な安井が酔うと少し恐い。 もっとも碓氷は(断らなかった)依頼人には忠実になるというだけである。 「しかし今回は面白いな。五十嵐さんも呼べば良かった」 難儀な依頼だとたまに五十嵐に手伝いを頼んだりする。 碓氷が部下を雇わないのは、碓氷の座を狙われたり、人件費のために面白くない依頼を受けなければならなくなるのが嫌だからだ。 「完全に信用を置ける若干名でなければ正式に雇う気はありませんよ」 と、碓氷はリストラ社員をバイトに使えと派遣してくる五十嵐に、いつもこう言っている。
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