1通目 始まり

4/14
前へ
/16ページ
次へ
「あぁ~もう間に合わない。弁当はいいから」 そう言って家を飛び出したのは、飯山早紀(イイヤマ サキ)。 清蘭(セイラン)女子高等学校に通っている2年生。 彼女の家から清蘭高校までは、電車とバスで1時間ほどかかる。 吹奏楽部に所属しており、アルトサックスを担当している。 いつもなら5時に起きるのに、今日は6時に起きてしまい、少々、遅刻気味である。 制服を着て、鞄に荷物を入れるだけで家を出てしまったので、前髪がピョンと立っている。 「前髪、治らない…」 前髪を押さえながら駅に向かって走る早紀。 青空の下、早紀の声が響いた。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加