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場面は、昭和風の住宅街を私が歩いていた。
道の端側には、若者が数メートル事に、立ったり、座ったまま、こちらの様子を伺っているようだ。
その若者の表情は、全て、顔を下に俯き加減で無表情で不気味なのが印象的であった。
気にもせず、通り過ぎる事にした。
私が通り過ぎると、ある一人の口元だけがニタリと不気味に笑うのがわかった。
その瞬間、若者は、目は血走りながら
「キャハっ」
と口を横に広げ、笑いながら、私を追いかけてくるのである。
「ヤバイ…逃げないと!」
と走るが、すぐに捕まえられてしまう。
すると背後から首を締めてくるのである。
「苦しい…」
と声をあげるが、
「キャハハッ」
と笑い声が耳に響きながら首を締めてくるのである。
なんとか振りほどき、走って逃げると、既に相手は追ってこなかった。
『逃げ切ったかぁ…アブネェ…アブネェ…』
っと安心し、立ち止まり、周りを見渡すと、やはり、また、別の若者数名が、数メートル先の道脇に、無表情で、やはりこちらの様子を伺っていた。
『今度は何もないだろう…』
とタカを括って、自然体で歩き始めた。…が、私が通り過ぎると、検討も虚しく、三人の口元が一斉に
『ニタリ…』
とした瞬間…
一人は私の首を締め、あとの二人は、私の後ろを歩いていた人の首を絞めはじめたのである。
「キャハハッ…お遊びはこれからだよ…」
と笑いながら、私の首を絞めている。
なんとか手を振り解いたのだが、身体の力が抜けてしまい、私は、その場で前に倒れ込んでしまった…
「うっ…ヤバイ…もうだめか…やられる…」
と思い覚悟を決めていると、
一人の若者が
「チっ…コイツ倒れやがったか…お前、次に、立ち上がったら、また襲うからな…キャハハハハッ」
と不気味に笑いながら立ち去っていった。
「助かった…しかし、これからどうやって進めばいいんだ…立ち上がることは出来ないし…
う~ん…
そうだ!歩幅前進で進んでみよう!」
なんて浅知恵が浮かんだが、今は、それを実行するしかないと思い、歩腹前進をする事にした。
歩腹前進で進み始めた私は、その間も無表情の若者達は道脇にいたが、私を見るなり、
「チッ…駄目か…」
「早く起き上がれよ…」
と残念そうである。
「へへ~ん、ざまぁみろ!」
と思っていると、数メートル先を友人が呑気に歩いているのである。
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