プライド

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今机の上には7枚の大学入試の結果が並べておいてある。 それを見つめる1人の受験生(りょう)がいた。 りょう「はぁ・・・」 そう。今彼が見ているのは不合格通知の嵐であった。 りょうには大学に受かる自信があった。1年間で 偏差値を44から57にまであげたのだ。 それなりに勉強したプライドもあった。しかし今机の 上に並べてあるのは1枚の合格通知と7枚の不合格通知。不合格通知で神経衰弱ができそうだ。 受かっている大学は滑り止めの大学。元々受けるつもりは無かった。しかし母親から言われ仕方なく受けていたのだ。 彼には浪人という道もあった。しかし、死に物狂いで頑張った1年を考えるともう1年「受験」という道は怖くて歩けなかった。浪人という道は完全に消されていた。 高校を卒業し、大学に入学するまでの間スノーボードに行ったりバイトをしたりと睡眠以外はあまり家には居なかった。家に1人でいるとふと大学の事を考えてしまう。それが辛かったのだ。できるだけ予定を埋めようと必死だった。
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