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「──す、すまない‥そんな理由があったなんて‥」
全ての理由を話し終わると、兼続はかすがに深く頭を下げた
女性に対して声を荒げた事を悔いている様で
しかしかすがは、ゆっくり首を振り、こちらこそ、すまなかった
そう、謝った
謝り方こそ、ぶっきらぼうだが、気持ちは充分伝わってきた
だから兼続はほほ笑み、頷いて
「あぁ‥そうだ。」
仕事に行くからと立ち去る前、かすがは幸村に手招きをしてみせた
何だろうと近寄ると、かすがは幸村の耳元で、
『あんた、あの男に大切に思われてるじゃない』
そう、囁いて
幸村は先程、勘違いしていたとは言え、自分を守ってくれた時の兼続を思い出して、顔が熱くなるのを感じた
あの時の兼続さまはかっこよかったな、と
「兼続さま。」
貴方が私をどう思っているのか、わかりません
だけど、いつかきっと認めてもらえるように頑張るから
だから、どうか今はまだ
貴方を慕う、子供の私でいさせて下さい──
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