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自分の事をどう紹介すればいいのか悩んでいると、不意に聞き覚えのある声が
ハッと声がした方を見ると、そこには謙信が穏やかな表情で佇んでいて
「謙信様‥!!」
「かすが。この子は人質と銘打ってはいますが実質、大切な上田からのお客人です。兼続の体調が良くなるまで、幸村殿の世話を頼みましたよ」
兼続、と言う名前を出した次の瞬間、かすがの表情は強張っていた
それでも、謙信に気付かれないように振る舞ってはいたが
やがて、謙信が立ち去るとかすがはムッとした表情を隠さずに、じたんだを踏んで
「またあの直江とか言う男‥!?許せない‥っ!!」
謙信の小姓だかなんだか知らないが、何かある度に謙信は、兼続の名前を出す
それが、かすがからしてみれば、とても気に入らなくて
憎しみを込めて、彼を睨み据えたり、クナイを投げ付けて威嚇などをしてみたりしたが、やはり意味はなかった様子
「あの‥もしかして‥兼続さまが言っていた忍びと言うのは…」
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