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「すみません…」
少ししょんぼりしながら俺は扇風機の風がちゃんと全員にとどくようにした。
しばらくして、部屋に湯駅警部が少し険しい顔をして入って来た。
そのまま、前に出ると、「皆、聞いてくれ」
といった。
「この中に、殺人鬼ジュラの事件を担当していた者はいるか?」
殺人鬼ジュラ…
その言葉を署長が口に出したとたん俺と瀬崎以外の刑事の顔に怯えが見られた。
「いるか?」
署長がもう一度繰り返すと、何人か手が挙がった。
しかしどの手もガタガタと震えていた。
「瀬崎…殺人鬼ジュラってなんだ?」
隣にいた瀬崎に俺はボソッといった。
「かつて世界を恐怖のどん底に突き落とした犯罪者だ。まだ捕まってない。」
「ふーん」
俺は半分そっけなく答えた。
署長はしばらくして「そうか、わかった。」
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