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「マル起きなさい、学校遅れるわよ」
かつて神官ビショプとして名高い彼女の名前はセイント=ルルク
髪は綺麗なブロンドヘアーで、背は低めだが40代後半とは見えない容姿をしている。
今は、一人の子持ちで、父親もまた有名なファイターではあったが、15年前のゴーラモンスター撃退作戦で戦死していた。
「……おはよ」
聖クレイン魔法学校に通う彼の名前はセイント=マルーキー。17才で通称マルと呼ばれ、人と接するのが少し苦手で、勉強嫌い。だが人には負けないくらいの好奇心旺盛。
「今日から上級生でしょ!朝ぐらい自分で起きなさい」
「…うん。」
マルーキーは学校に行くのが憂鬱だった。
何故なら、友達も少なく、学校での成績も下から数えた方が早く、神官ビショプの息子にも関わらず、魔法が大の苦手としていたからだ。
聖クレイン魔法学校は、3年間の過程を経てクレリクという光魔法専門の職につく。
マルーキーは今年で卒業を迎えようとしていた。
「行ってきまーす」
面倒くさそうに、家を出る。
学校までの距離は歩いて約20分。
しかし、マルーキーは学校とは正反対の方へと足を運んだ。
生い茂った草木の道をひたすら南下すると、そこには物静かな高台があり、いつもそこで学校をサボっていた。
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