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「伯爵さま、儀式の用意が出来ました」
「うむ、では始めよう」
突然出てきた眼鏡をかけた秘書のような女性はノアール伯爵に言づてした。
「あの~、儀式って何?」
「儀式?…結婚式だよ」
「誰の?」
「君…つまり、ゆいと魔緒君だよ」
ゆいの頭は一瞬真っ白になる。そして、恐る恐る向こう側を見てみる。
「ゆい~!!」
八重歯の生えた青年、魔緒はかなり嬉しそうにしている。彼はちゃっかりタキシードまで着ていた。
「あのぉ~、私こんなのと結婚する気はさらさらないのですが?」
実のところ、ゆいは魔緒が嫌いなのだった。
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