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あのあと俺たちは佳奈の家に移動して
俺は佳奈から傷の手当てを受けていた
「てことは……龍也さんはエスの兄貴みたいな人なんだ」
「そういうこと。私たちも結構お世話になってるんだ。でも何で龍也くんあんなとこにいたの?エス達が引っ越してから来なくなったのに」
龍也は佳奈から入れてもらったコーヒーを一口飲んで
「俺も今度引っ越すことになったんだ。福岡市内に」
『え……』
佳奈達は驚きを隠せないでいる
「親父の仕事の都合でさ。福岡の方が仕事が良いんだと」
「そんな…龍也くんまでいなくなるなんて」
佳奈は涙を目にためて俯いた
「ずっと会えないワケじゃないんだ。福岡と長崎なんて近いじゃん!元気出せよ佳奈」
龍也は佳奈の頭を撫でながらそう言った
さっきまでとはまるで違う、優しい口調で…
「あんまり落ち込むなよ佳奈。たまに帰ってきますよね?龍也さん」
「ああ。たまに顔見せに帰ってくるよ。佳奈達がちゃんと元気でやってるか心配だしな」
龍也の顔はものすごく穏やかで初対面の俺でさえも安心感を抱くほどだった
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