2・青い目の移すもの

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まさに呆然とはこのことを言う。 なぜこんな時間に、こんなところに女の子がいるんだろうか。  彼女は可愛らしい印象はあるものの、高校生には見えない。二十歳は過ぎているだろう。 肩に付くか付かないかのサラサラの髪が、肌寒さすら感じる夜風に揺れてキラキラしている。透けるような白い肌よりも、さらに白いワンピースからは綺麗な足がスラリと伸びて、ノースリーブから華奢な肩がのぞいている。   ん? ……ノースリーブ!?  さすがにまだ気が早いんじゃなかろうか。 俺、コート着てるんだけど……。  何だか目眩がしきたぞ。 「あの~……」 彼女と視線がぶつかる。そんな彼女の声にジロジロと観察していたことに、やっとそこで俺は気が付いた。 いや、でもこの場合仕方ない気もするぞ。 だってさ。 ここ、川原なわけで。   「すいません~?」  夜中なわけで。 寒いわけで……。   ──なんで?   って思うのが自然なんじゃないかと思うわけで。  彼女は口に手を当てて、5メートルほど離れた桜木の下でこちらに向かって叫んでいる。 なんだか、どっと疲れた気分だ。深く考えるなということなんだろうか……。
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