序章

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しかたがなく教室のなかに足を踏みいれ、あたりを探す。     ガタ     背中に寒気がはしり、ぞっと全身が固まる。音は後ろから聞こえていた。ゆっくりとふりかえる。当然、誰もいなかった。   *「みゆき…なの?」     無意識のうちに、音がなるほうを向いたまま後退りをしていた。すると、今度は足元に何かがぶつかる。     慌てて足元を見ると何かがよこたわっていた。   空に浮かぶ雲が流れ、隙間から月の光がさしこんだとき、その姿をはっきりと捕える。   *「きゃー!」
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