序章

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静かな声が耳元に響く。   ドクン   自分の心臓の音が聞こえるほど、静かで、脅えていた。     「ねぇ、…私のかわりにしんでくれる?」     全身に緊張がはしる。それでも、「逃げなきゃ」この言葉だけは頭に浮かんだ。     ?     全身に力を入れているにも関わらずまったく動けない。それどころか、視線をそらすことすらできない。   そして、それは刃物を持った手を見せながら、ゆっくりと近付いてくる。   *「い…、いや!こないで…」   必死になって声を出してみても、それは止まることはなかった。     *「お願い…。こないで…」     やがて、それは目の前で刃物をかざす。     *「きゃー!」
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