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すると佳菜は…
「クス‼確かにね‼」
佳菜は笑って答えた。美砂は心の中で
「…笑い事じゃないのに…‼ひどい‼」
美砂は1人で走って帰ってしまった。
「あっ‼ちょっと‼美砂‼…美砂‼」
もう佳菜の言葉なんて耳に入らない‼走るのをやめた美砂はいつの間にか商店街に来ていた。そう、美砂と佳菜はここで出会ったのだ。美砂の頭の中はまるで昨日の事のように佳菜と初めて会った日の事を思い出していた。初めて学校に行った時の帰り道、佳菜が商店街の端の方で泣いてうずくまっていた。その時美砂が
「…ど…どうしたの…?」
と心配そうに聞くと震えた声で佳菜が言った。
「…あのね、靴が…壊れちゃったの…」
美砂が佳菜の靴を見ると靴ヒモが所々切れていたのだ。とても歩ける状態ではない…
「…そうなんだ。大丈夫‼私があなたの事をおんぶするから‼家まで送ってあげる‼」
そういうと美砂はまだ少し大きいランドセルを背中にしょうのではなく、胸の方にしょって、佳菜をおんぶした。そして、いつの間にか佳菜は泣き止み、笑顔を取り戻していた。そして無事に佳菜の家まで送る事が出来たのだった。
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