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飛行機が空港に着くと、伊藤は清美から10数メートル後を歩いて行く…
清美はそわそわした感じで携帯を取り出している様だ…
そうだ、俺も社長に連絡しておいた方がいいだろう。
伊藤は携帯をポケットから取り出すと電源を入れた…電源が入るまで10数秒、伊藤は画面を見つめていた。
そして清美の方に目をやったが…
そこに清美の姿はなかった…
『まさか!』
伊藤は思わず大声を上げる。周りの人達は一斉に伊藤の方に視線を浴びせる…
そんな視線を気にする余裕はなかった。素早くフロア全体に視線を走らせると…
出口付近に男と走って行く清美の後姿があった…
マズイ!ここで見失う訳にはいかない。
伊藤は猛ダッシュで清美の後を追い掛け、出口へ辿り着いた…
移動するならタクシーだと思った伊藤は素早くタクシー乗り場に視線を送る…すると4台のタクシーが動き出していた。
どれだ?伊藤は車の中の様子を伺うと、1台だけ運転手以外の影が見えないタクシーがあった。
素早くタクシーに乗り込んで運転手にそのタクシーを追い掛けるように告げる…
『隠れたのが仇になったな…こっちは助かったが…』
伊藤は一安心したらしく、社長へ連絡を取った…
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