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その頃伊藤は本社の会議室に居た…
清美を見失った事により社長に呼び出されたのである。
そこには笠木の姿もあった…
『申し訳ありません。渡辺社長…』
伊藤は今日起きた事を正直に報告した。もちろん許されるとは思っていなかったが…
『伊藤よ、私はお前を責める為にここに呼んだ訳ではない、娘が病院を抜け出すなどとは思ってもみなかったしな…問題はその事をすぐに知り、空港に先回りした者の事だ…』
渡辺はタバコに火を点けると再び口を開いた…
『笠木がマークしていた男、矢田 貴史といったか…この男も今朝から行方がわからなくなっている。伊藤が空港で見た男は恐らくこの男だろう。しかしただの迎えならともかく娘を連れて逃げた所をみると何等かの方法で我等が娘を狙っているという事を知っていたと思われる…なぜだ?他に仲間が居る可能性もある、お前は今から笠木と別府に向かって貰う。到着したら連絡をくれ、次の指示を出す。』
言い終えると渡辺は森山と共に会議室を出て行った…
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