~竜の胎動~

6/11
前へ
/109ページ
次へ
会議室から出た渡辺と森山は社長室へと移動していた… 『やはりあの2人では無理でしたね。』 森山は全て見通していたかの様な口調で喋り初めた。 『まあ元々彼等などは全く当てにはしてませんでしたが…』 森山の口調に渡辺はその意味を悟った。 『やるのか?』 渡辺はその一言だけを言い、森山の返答を待った… 『あの2人はいつでも消せます。今私が考えているのは矢田 貴史…彼に情報を提供した人物の事です。伊藤、笠木を使ってなんとかあぶり出せれば…』 森山は深く考え込んだ後、出口の方へと歩を進めた… 『森山、わかっているとは思うが…』 渡辺が言い終える前に森山が口を開く。 『しかし娘側にこちらの動きを見せてしまった以上、いつまでも探りばかりでは拉致があきませんよ。』 森山はゆっくりとドアを閉め、本社ビルを後にした…
/109ページ

最初のコメントを投稿しよう!

205人が本棚に入れています
本棚に追加